ちょい若おやじの映画と読書の記録

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"Words can't describe how it feels flying through an aurora. I wouldn't even know where to begin..."

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映画レビュー#49 バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡) [洋ドラマ]

2015.04.23 (Thu)
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[説明]
公開:2014年10月17日(アメリカ) *日本公開:2015年4月10日
上映時間:119分
原題:Birdman or (The Unexpected Virtue of Ignorance)
監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ Alejandro González Iñárritu
脚本:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ Alejandro González Iñárritu、他
出演:
マイケル・キートン Michael Keaton ― リーガン・トムソン(元ヒーロー映画主役)
エドワード・ノートン Edward Norton ― マイク・シャイナー(有名舞台俳優)
エマ・ストーン Emma Stone ― サム・トムソン(リーガン娘、リーガン付き人)
ナオミ・ワッツ Naomi Watts ― レスリー(女優)
ザック・ガリフィアナキス Zach Galifianakis ― ジェイク(弁護士、リーガン親友)
アンドレア・ライズボロー Andrea Riseborough ― ローラ(女優、リーガン恋人?)
エイミー・ライアン Amy Ryan ― シルヴィア(リーガン元妻)
音楽:アントニオ・サンチェズ Antonio Sánchez

出典:
wikipedia バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡) , Birdman (film)
日本版公式HP:
『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』公式サイト(20世紀FOX)

[あらまし]
昔はとっても有名だったのに・・・
現在のハリウッド映画で大流行りのアメコミヒーロー物の先駆け的存在である映画『バードマン』の主人公を演じていたリーガン。しかし、彼も年を取り、所謂落ち目な役者となり、忘れかけられている存在であることに焦りを感じていた。
ブロードウェイにて自身で脚本、演出、主演を行う舞台が最後のチャンスであると自負していた。
彼には誰にも言えない秘密があった。かつて演じたバードマンのささやきと共に“超能力”が使える(と思っている)こと???
リーガンには、元薬物依存症の娘サムがいて、彼女はリハビリにとリーガンの付き人をしていた。
いよいよ舞台公開が迫る中、急きょとある代役でやってきたブロードウェイの有名俳優マイク。マイクの演技に惚れ込むリーガンではあったが、このマイクが一癖も二癖もある男で、もうしっちゃかめっちゃか。
リーガン、マイク、サム、親友の弁護士兼プロデューサーのジェイク、マイクの恋人的存在である女優のレスリー、リーガンの恋人的存在であるローラ、それぞれの欲望、野望、苦悩が渦巻く中、リーガンは再び日の当たる所に戻れるのだろうか・・・?

直近のアカデミー賞で作品賞、監督賞、脚本賞、撮影賞の4部門を受賞した話題作。
全編ワンカット風の映像、主役のマイケル・キートン自身がかつての『バットマン』を演じていたことなどで話題の作品。
(文責・管理人)

[レビュー]
「いやー、何だったんだ、一体?!」
これが最後のエンドロール中にふと頭の中に浮かんだ言葉である。

上の言葉についての説明は後述するとして、簡単に本作を述べるなら、
おもしろい!
である。今回のレビュー構成は、劇場公開したてでもあるので、全体的な感想を主に、

 ①何だったんだ、一体? ―全体的な感想1
 ②俳優陣 ―全体的な感想2
 ③少しだけ中身の整理

の以上3点でやっていきたい。

何だったんだ、一体? ―全体的な感想1
映画の冒頭から完全にどっぷりと映画の世界に浸っていたのは実に久しぶりであった。
オープニングからはじまるワンカット風の映像に目を奪われつつ、それ以降もまた映像に目を奪われつつ、それでも物語の内容、流れ等々の把握、吟味、咀嚼には気を配っていたはずであった。
それでも、それでもすべてを観終わった後、管理人に必ず訪れる「映画の反芻タイム」(←なんじゃそりゃ)において、この映画が一体全体、何だったのかわからなかったのである!
もちろん、物語の内容について理解できないといったことはなく、なんというか、「あ、この映画ってこうだったよね。」とか「この映画はこの辺に注目すればまた面白いだろうな」とか何となく自分なりのその映画の見取り図ができるのだが、本作については、かなり面白かったことからくる興奮と映画が終わったことへの不思議な安堵感に支配されて、
数分間ぽかーんとしていた。

久しぶりに、「黙ってこれを観ろ!」と言いたくなるタイプの映画だったなあ。
本作自体が、映画批評の映画でもあるので、まさに本作についての批評はきれいにわかれそうなところでもあるが、個人的には、内容、撮影、役者含めどこかに映画好きの人の琴線に触れる箇所があるのではないかと思う。

なお、映画館側が用意していたスクリーンは映画館にある中でも非常に小さなスクリーンであり、昨今の大スペクタクル超大作ではないスクリーンであった。このこと自体もまた映画の内容と関連してくるようで面白いのだが、それはさておき、本作は劇場でもDVDでもどちらでも楽しめそう。ただ、音楽もいいので、音楽に凝りたいなら、やはり劇場がおススメ。

映像については、ワンカット風で全編進んでいく。
このワンカットについては監督さんがかなりこだわったらしいのだけど、映画を観る前は正直、危険な香りがしていた。
なんとなく、時系列が掴みにくいような気もしたし、凝りに凝った作品はちょっと疲れてしまうような気もしていたからである。しかしながら、話の流れがわかりにくいなんてことはなかったし、疲れるなんてことはなかった。
むしろ、一つなぎの映像によって、ある一人のオッサンの人生=舞台の一コマとして眺めることはできたような気がするし、なんだか爽快な気分にさえなれた。
ワンカットといえば、管理人が知っている映画では、大友克洋氏のオムニバスアニメ映画『MEMORIES』の中の『大砲の街』を思い出した。また、アメリカのロックバンドの「OK Go」が日本で撮影した“I Won't Let You Down”のPV(Perfumeも冒頭に少し出ている)を思い出した。PVについては本当にワンカット撮影だったみたいだけど。

俳優陣 ―全体的な感想2
主役のリーガンを演じたマイケル・キートンがなんといってもよかった。
管理人は思いっきりティム・バートン版の『バットマン』にハマった人間なので、ちょっと特別な思い入れもあった。
それにしても老けました。舞台用のヅラを取り外すシーン、ブリーフいっちょうで歩き回るシーン等、彼の『バットマン』からの時間的な流れを感じた。
それでもやっぱりかっこよかった。
5.jpg
(この写真を含む、以下のすべての写真は公式サイトより)

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次に、有名舞台俳優で、自分の「本当」が出せるのは舞台だけ、と言っているマイクを演じたエドワード・ノートンも最高。二枚目だけど、問題児で自分なりの悩みを抱えている雰囲気を見事に醸し出していたと思う。
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他には、「ナオミよ~」ではない方のナオミ・ワッツ(少年期よくこんがらがっていた・・・)やトム・クルーズの『オブリビオン』に出ていたアンドレア・ライズボローが女優の役としてとてもよかった。それぞれに悩みがあるわけだが、二人が楽屋で話し合う場面はかなり本作のキーポイントになっていると思う。

リーガンの娘でありリーガンの付き人であり、元薬物中毒者であったサムを演じたエマ・ストーンは『アメージング・スパイダーマン』でしか観たことがなかったけど、なんだかちょっと綱渡りな様子がしっくりきていたように思う。このサムとエドワード・ノートン扮するマイクが屋上で話すこともまたこの映画のキーポイントであったと思う。特にマイクから自分の父親が最低だ、と言う彼女への問いかけ「何が最低なのかい?」にはじまる問答である。
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リーガンの顧問弁護士兼プロデューサー役のザック・ガリフィアナキスについては、管理人がハマった海外ドラマ『トゥルー・コーリング』に出ていた役者さんだったので、非常に懐かしかった。
あのドラマかなり面白かったのだけど、お話の途中で打ち切りになっちゃったんだよなあ・・・

少しだけ中身の整理 *ネタバレ含む
「一体、何だったんだ?」と言う感想を持ったことは述べたが、それはそれとして、物語の中で面白かった点について少しだけ書いておこう。
大まかに言えば、落ち目の俳優が舞台で一発逆転をもくろむ中、自身の心の葛藤や周囲の葛藤との中どのように突き進んでいくのか、といった内容だったと思っている。ハリウッド映画批判がよく出ていたと思うが、それでも元ヒーローのリーガンにとっては注目を浴びるということが願望であったと思う。にも関わらず、昨今のSNSやブログによってただ知名度をあげたいわけではなく、それはつまりこの映画の中で批判されるハリウッド的なスキャンダルやゴシップではなく俳優としての実力で何とかしたいと思っていたはずである。リーガンは妄想とも言えるバードマンとの対話の中で表現される、役者としての自負がかなり彼をひきづっている。それゆえに、そんな役者としての凄さがはたして『バードマン』の大流行と関係していたかはわからないのに、自分の実力こそがかつての名声を手にした要因だったと思い込んでいる。
そう、思い込んでいるというのがポイントで、実際の役者としての実力やら名声のハウツーについては知らないが、リーガン自身が自分が優れた俳優のはずという思い込みが本作の彼の葛藤を描き出している。

上にも少し書いたが、楽屋での女優二人の会話、屋上でのサムとマイクの会話がやっぱり面白かった。
楽屋での会話の中で、自分が望んだ通りには誰もやってくれない、といったものがあったと思う。
また、屋上での会話で、「父親の何が最低だったか」という問いに対する答えが実はマイクからすればしょーもないことであったシーンもあったと思う。
この2つのシーンからはリーガン以外の登場人物たちにもそれぞれの舞台に対する想いやリーガンに対する想い、自身の葛藤や苦悩が表現されていたし、このことによって、「みんな、あれこれ悩んでいるのよ。そう思い通りにはいかんだろう」とか「みんな誤解の中で、それが意図的だろうが無意識的だろうが、望むと望まざるとに関わらず、それでも人間関係の輪は形成され、時は流れていくのだなあ」だなんて思いながらしんみりと観ていた。

映画の題名である『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡) Birdman or (The Unexpected Virtue of Ignorance)』については、この後ろの( )にあたる箇所は映画の最後の新聞の記事として登場してくる。
あの批評家のおばちゃんが前言撤回して好評価をあの舞台につけた記事である。
文字通りに捉えるならば、批評家のおばちゃんにとっては、リーガンという“映画俳優”によって舞台が冒涜されたとさえ思っていたわけだが、無知の“”映画俳優だからこそ、普通は起きないようなありえないおバカとさえ言える一種の狂気が舞台の中に究極のリアリズムをもたらした、という奇跡なんだろう。
個人的には別に小道具でもなんでもOK。
さてさて、最後の顛末について、文字通りに捉えるのもいいと思うが、やっぱり映画の題名にさえなっているという点、つまり全体の主題であるのだろうという点を考えてみたい。

「あるいは」というのが面白いところだと感じる。
あくまで「あるいは or」なのである。劇中劇の中でも「愛」について語り合うシーンがあるが、その概念は人によって異なっているものであったし、その「愛」こそが危険と表裏一体であるように語られていたと思う。
リーガンにとってのバードマンも絶対的なものなんかではなく、リーガンという人間の中の一面にすぎず、「どう転ぶかなんてわからんよ」というのがこのタイトルからは感じられた。そしてそれに対して、どう向き合うのかということを個人的には自分の日常の中でこそ考えていきたいとも思った。

おわりに
とにかく面白い点は多かった。書いたこと以外でも、ハリウッド映画批評に関するところやリーガンとサムの関係性、ラストの解釈とうとう沢山語りたいことは多い。
とりあえず、また観たいな。

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コメント

こんちは
お久しぶりです。
いやあ、ちょい若節炸裂ですな。良いもの読ませてもらいました。
「映画の反芻タイム」で、なんだかわからなかったってのが、きっと、言い当て妙なんだろうと感じさせられました。
「みんな誤解の中で、それが意図的だろうが無意識的だろうが、望むと望まざるとに関わらず、それでも人間関係の輪は形成され、時は流れていくのだなあ」
良い文章です。日常に向き合えそう。そして、きらめかせてもらえそうです。
この映画、観よう。

Re: こんちは
あかりちゃん、コメントありがとうございます。
お久しぶりです。
あかりちゃんの旦那様との旅行記を読みましたが、色々あったようですが、楽しそうでよかったです。

映画の反芻タイムですが、本作については観てから時間が経った今でも時折思い出していますが、やっぱりもう一度観たいですね。

> 「みんな誤解の中で、それが意図的だろうが無意識的だろうが、望むと望まざるとに関わらず、それでも人間関係の輪は形成され、時は流れていくのだなあ」
> 良い文章です。日常に向き合えそう。そして、きらめかせてもらえそうです。
> この映画、観よう。

そういっていただけて、ありがとうございます。
この映画、どうやら賛否両論まっぷたつみたいなので、あかりちゃんの目にはどう映るんでしょうか。
僕は、この映画を観て一番感じ取った自分との体験の重なりはこの言葉につきます。
DVDレンタル開始したらぜひご覧になってみてください。
No title
こんばんは。

>この映画が一体全体、何だったのかわからなかったのである!
>もちろん、物語の内容について理解できないといったことはなく、

ブログにアップしたのは昨日なんですが、実際観たのは結構前で、かなり忘れているところもあるのですが、ちょい若さんが書いているように、お話そのものは分かるけど・・・?という状態が今も続いています(^_^;)

で、僕のブログの方で、つかりこさんが指摘された長回しの理由を読んで、なるほど!と思い、ちょい若さんの“みんな、あれこれ悩んでいるのよ。そう思い通りにはいかんだろう」とか「みんな誤解の中で、それが意図的だろうが無意識的だろうが、望むと望まざるとに関わらず、それでも人間関係の輪は形成され、時は流れていくのだなあ”という文章を読み、またなるほど!と思いました。

で、結局、監督はちょっと思わせぶりが過ぎたのかな、と思いました(^_^;)
Re: No title
バニーマンさん、コメントありがとうございます。

お話の整理はつきましたか?
僕は未だに整理がつくことなく放置したままです。笑
もう一度見たいなあって思っています。

> で、僕のブログの方で、つかりこさんが指摘された長回しの理由を読んで、なるほど!と思い、ちょい若さんの“みんな、あれこれ悩んでいるのよ。そう思い通りにはいかんだろう」とか「みんな誤解の中で、それが意図的だろうが無意識的だろうが、望むと望まざるとに関わらず、それでも人間関係の輪は形成され、時は流れていくのだなあ”という文章を読み、またなるほど!と思いました。

ありがとうございます。
僕が感じたことをそのままずさんに書きました。笑
なんとなく、僕は↑のように感じました。
バニーマンさんも記事で仰っているように、俳優さんたちがすごく良くって、
キャラがそれぞれ濃くて、人間関係の輪に興味をそそられたのかもしれません。

> で、結局、監督はちょっと思わせぶりが過ぎたのかな、と思いました(^_^;)


いや~、僕、観に行く前は心配だったのです。
なんか、ワンカットとか聞いていたので、思わせぶりなアーティスティックな作品なのかなあと思ってました。
まあ、実際見るとすごく面白かったわけですが。笑
この思わせぶりをむず痒く感じながら、ボーっと僕はしちゃいました。
たまにはこんな映画も見たくなりますね。

コメントありがとうございますm(__)m
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