ちょい若おやじの映画と読書の記録

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映画レビュー#34 JUNO/ジュノ [洋コメディドラマ]

2014.10.12 (Sun)

JUNO/ジュノ (特別編) [DVD]JUNO/ジュノ (特別編) [DVD]
(2012/12/19)
エレン・ペイジ、マイケル・セラ 他

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[説明]
公開:2007年12月25日 *日本公開:2008年6月14日
上映時間:92分
原題:Juno
監督:ジェイソン・ライトマン Jason Reitman
脚本:ディアブロ・コーディ Diablo Cody
出演:
エレン・ペイジ Ellen Page ― ジュノ・マクガフ Juno MacGuff
マイケル・セラ Michael Cera ― ポーリー・ブリーカー Paulie Bleeker
ジェニファー・ガーナー Jennifer Garner ― ヴァネッサ・ローリング Vanessa Loring
ジェイソン・ベイトマン Jason Bateman ― マーク・ローリング Mark Loring
オリヴィア・サールビー Olivia Thirlby ― リア Leah
J・K・シモンズ J. K. Simmons ― マック・マクガフ Mac MacGuff
アリソン・ジャニー Allison Janney ― ブレン・マクガフ Bren MacGuff
音楽:マテオ・メシナ Mateo Messina
歌(劇中使用曲メイン):キムヤ・ドーソン Kimya Dawson

出典:エンドクレジット、wikipedia JUNO/ジュノ , Juno (film)
日本版公式HP:映画「JUNO/ジュノ」オフィシャルサイト (20世紀フォックス)

[あらまし]
ジュノは16歳。興味本位で「お友達」のポーリーとSEXしたらなんと妊娠してしまった。最初は、人工妊娠中絶をするつもりであったが、「自分のおなかの中の赤ちゃんにもう爪がはいている」と知ったとたん、生むことを決意する。ただし、高校生の自分に子育てはまだ無理だと思い、赤ちゃんを望む家族へ養子に出すことにする。そして、音楽家のマークとヴァネッサ夫婦のもとに赤ちゃんがいくことが決まり、順調にジュノのお腹は大きくなっていったのだが…

『X-MEN2』『インセプション』などに出演しているエレン・ペイジが16歳の女子高生妊婦を好演。
高校生同士の「妊娠」という問題をラブコメ調(?)に描く。
アカデミー賞脚本賞受賞、監督賞、主演女優賞、作品賞ノミネート作品。
(文責・管理人)


[レビュー]
左サイトマップのプロフィールに書いているように、管理人にとってはエレン・ペイジは好きな俳優。
彼女のカジュアルな(?)、素朴な笑顔と若干影がありそうな笑顔に魅かれたのが『X-MEN2』の時。
エレン・ペイジが好きな方は彼女が出演しているだけで、観る価値大ありだが、他にもいくつかこの映画の面白いところを感じた。この映画は時間の短さもあって、久しぶりに「布教活動」したい映画。だから、何がこの映画の面白さなのかを考えてみたい。

従って、今回のレビュー構成は、

①高校生の妊娠の描き方 ―コメディ調の良さ
②家族の対応
③ジュノの選択

とりあえず、この3点で何が面白いのか考えていくことにする。


高校生の妊娠の描き方 ―コメディ調の良さ
本作の最大の面白さはこの「妊娠の描き方」であったように感じた。
この項目のタイトルにしているように「高校生の妊娠」なのである。
「高校生の母」だったり、「16歳の母」だったり、「16歳の妻」だったりではない。
本作では、かなりあっという間に、「中絶するかどうか?」という選択肢は完全になくなり、
そして、何より「自分では育てない」のである。
実際の代理出産やこのような養子のケースに対して、そこに孕む問題点として、代理母が「母という愛情に目覚め、やはり手渡したくない」というものがある、ということばかり考えていた。
それは、本作でも、一度土壇場で養子縁組を断られたことをマークとヴァネッサ夫妻は語っていた。
ただ、ことジュノについては、最後まで、「自分が育てるんだ」という選択肢が確かに生じるのだけれど、そのジュノの強い意志は感じられない。
確かに、マーク達が離婚を決意したことを知ったジュノは赤ちゃんを自分で育てざるを得ないかまた新たにどうするか考えなくてはならなくなるのだが、ジュノからヴァネッサに宛てられたメモにあるように、

 あなたがまだそのつもりなら、
 私もまだそのつもり。


「自分が育てる」という意志は映画において重視されていない。

むしろ、本作では、高校生として妊娠したジュノ、そして彼女の周りの人々が、生まれてくる赤ちゃんに対してどのようなことを考え、どのようなことをするのかを丹念に、前向きに表し続けているように感じられた。
後述するが、ジュノの父も継母も、ジュノが妊娠したことに対してのお咎めはなく、前向きに準備をしている姿を描くうえで、コメディ調というかラブコメ調なのはマッチしていたと思う。

ジュノが赤ちゃんを「絞り出す」とか「デリバリーする」とか嫌味のつもりなくケラケラとユーモアで語るところなんて笑えるのと同時に、自分自身が「育てない」ということをよく表していると思う。

とにかく、重たい描写だけが「人工妊娠中絶」「高校生の妊娠」を描きつくすわけではないことの例ではないだろうか。


家族の対応
かなり、爽快感ある対応だと思った。
切り替えの早さと言ったら、「え?それだけ?」と思ったものだった。
ジュノがはじめて父親と継母に告白するシーンがあるが、そこで、「父親は誰だ?」というセリフが最初に来ないところも面白い。
「あの野郎、一発殴らせろ!!!」のような怒りまくりのオヤジは描かれないのである。
とにかく、起きたことに対してジュノ自体に責めることはしないのである。
それは、ジュノ自体が困惑していることを察して、そして自分たちが困惑していることを彼女には押し付けないということを意味していると思う。
この会話のシーンもなかなか笑えるやりとりだと思う。

さて、結局、ジュノの妊娠に対して、どこまでも個人主義というかアメリカらしい(?)というか、「あれしろ、こうしろ」はないのである。継母が超音波審査に同伴しているときに、超音波技師に文句を言うシーンなんてかなり爽快である。
そして、「若いからまともに赤ちゃんを育てられない」という言説に対して再考しなければならないこともよく表している。

ジュノが出産した後の父親のセリフもジーンときたし、そのあと、おそらく妊娠後はじめて会ったであろうジュノの相手を見て、殴るなんてことはせず、彼の肩に手を置き微笑み、その場を去る姿にもジーンときた。

両親の反応については、ジュノの両親にしろ、相手側のポーリーの母親にしろ、注目すべき点があると思うし、その両家の対応の違いも注目点であると思う。

まさに子どもが高校生くらいの親世代の方々は本作を眺める時に、色々思い浮かべることがあると思う。
管理人はいつか、ジュノの父親のような対応を取れるのだろうか???
妊娠してしまったこと自体を娘に責めないということができるのだろうか…???

ただ、これが「父親の父親」であったときはどうしようもない。
相手の家にどのような対応をすればいいのか皆目見当がつかない。
性教育を「恥ずかしさ」を理由に教えないなんてことは避けるべきなのか?

全世界の親御さんは大変だ。
いつか父親になることが決まった時に本作をもう一度観てみることにしよう。


ジュノの選択
本作の最後にジュノは「永遠に愛し合うこと」について考えるのである。
それは、あんなに幸せそうだと思っていた、養子送り先の夫妻が離婚を決めたことを知った後のシーンで、父親に相談する言葉でもある。彼女の実母自体も今では遠くに住んでおり、今の母親は継母であることから、この「永遠に愛し合うこと」の難しさも感じているし、自分が妊娠したことで経験したことからその行為に可能性を信じたいと思うようになったようだ。
それに対して父親が自分自身の経験を語ることで、ジュノはその「永遠に愛し続ける」ことをヴァネッサと生まれてくる赤ちゃんの2人に可能性を信じるのである。

ジュノはこれについて「大人度を超えた出来事に遭遇しちゃって…」(DVD版字幕)と言うセリフを使うのだが、彼女の言葉にはユーモアが多分に含まれているように思うし、そこが彼女の、映画の魅力になっているのだろう。英語自体から感じ取っている所は全てではないので、日本語字幕の意訳に依拠しているところはあるが。

さてさて、ジュノとそのお相手のポーリーの関係性についても冒頭からずいぶん変わっていく。
ジュノの場合、SEXした時はポーリーを愛していなかったわけだが、妊娠して彼が自分に取る対応や彼が彼なりに悩んでいる姿などに触れ、彼を愛するようになる。
出産後の病室で2人が抱き合っているシーンは、2人が若いなりにも得た感動と苦悩を表出しているように感じたし、最後に2人が音楽を奏でるところもそれを感じるシーンであった。


おわりに
本作の音楽についてだが、公式サイトの「ジュノの部屋」というページの「ジュノと音楽」によれば、本作で多く使われる曲の元ネタのアーティストのキムヤ・ドーソンは、ジュノ役のエレン・ペイジが決めたとのこと。
ジュノとポーリーがその曲を歌うエンドクレジットまで本作を楽しめるという仕掛けだった。

本作は「高校生の妊娠」の描かれ方だったり、「人工妊娠中絶」の描かれ方だったり、家族の描かれ方だったりを明るくポップな調子を使うことで、楽しくも考えさせるような構造になっていると思う。
本作はとりわけ若い世代や若い夫婦、そして若い子供を持つ親こそ見るべき映画のようで、そしてそれぞれの立場で観方が大きく変わりそうな映画である。家族で観て、意見を交換するのも面白いかも。

それにしてもエレン・ペイジはかわいい。
顔がかわいい、というのももちろんそうだが、彼女の男前なところや見つめあうだけで引き込まれそうになる瞳(あ、一方的に見つめているだけか…)など魅力満点だ。
そして、何より彼女の演技がストライクに好みなのである。

余談
彼女自体は、今年の2月14日にラスベガスで開かれたLGBTのイベントで「私は同性愛者である。 I am Gay」という告白を含めた10分程度のスピーチを行った。
"HRC(Human Rights Campaign.)"という団体による、"Time to Thrive "というイベントの1つであるようだ。
*なお、HRCの公式サイトとそのエレン・ペイジのスピーチにも触れている、
 同サイトの"Time to Thrive "ページを参照。

管理人は彼女のスピーチの内容を自分なりに翻訳してみて、当時、彼女の言葉やしぐさ、表情に感動し、ますます彼女を好きになったのだ。
管理人自体は所謂「ゲイ」ではないが、エレン・ペイジのスピーチを聞いて、「ああ、エレン・ペイジってゲイかよ。もう嫌い。」とは思わなかった。いつから、彼女が自分の性に目覚めたのかはわからないが、彼女が今後出演している映画での演技に期待が高まる。様々な顔を見せてくれる役者さんは好きなのである。

というわけで本編とは関係ないが、日本語字幕を付けてくれている方のyoutube動画を見つけたので貼り付けておく。
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コメント

布教活動
若が布教活動したいほどの映画なのですね。この作品は、いっつも「観ようかなどうしよっかな。あとにしよ」と観ていなかったので、、、機会があれば観たいと思います。。。

余談ですが、個人的意見としてですが、
ゲイであるということを、特別に告白しなければいけない、のは、大変だなあ、と思います。それは差別されることではないと常々思っているからです。自然の感情は、尊重すべきです。
人を愛することって、素敵なこと。

Re: 布教活動
レインボウさん、コメントありがとうございます。

> 若が布教活動したいほどの映画なのですね。この作品は、いっつも「観ようかなどうしよっかな。あとにしよ」と観ていなかったので、、、機会があれば観たいと思います。。。

ありがとうございます!

> 余談ですが、個人的意見としてですが、
> ゲイであるということを、特別に告白しなければいけない、のは、大変だなあ、と思います。それは差別されることではないと常々思っているからです。自然の感情は、尊重すべきです。
> 人を愛することって、素敵なこと。

本当にそう思います。
エレン・ペイジも言っているように、告白する人は大変だと思います。
そして、同時に告白しない人もまた、大変なことだと思います。
まだまだ、知らない世界ですが、私にとっては向き合うべきところにあるような気がしています。
とりあえず、考えてみるところからですが、始めているところです。
No title
この作品だ〜い好き!
公開時に劇場で観ました。
エレン・ペイジ可愛いですよね。
エレン・ペイジもさることながら
この作品全体が、もうオープニングからして可愛かった☆
高校生の妊娠を扱っているけど
ちょい若さんがおっしゃるように
とてもあっけらかんとしているところがいいし
それが後ろ向きじゃないところがまたいいです。
ところで、エレン・ペイジはゲイだったのですね。
声がふるえていましたが
聞いている私も心がふるえる良いスピーチでした。
Re: No title
さとちんさん、コメントありがとうございます。
さとちんさんもこの映画「だ~い好き」なんですね!!!
いいですよね~!

オープニング可愛いですよね♪
色鉛筆風で、エレンが1ガロンのマンゴージュースみたいなのを持ちながら、つかつか歩くの可愛すぎます。

エレンのスピーチ見ていただいてありがとうございます。
割と長かったし、最初のほうはよくわからなかった部分もあるかと思います。
なぜなら、中盤に彼女がカミングアウトするために緊張していたところもあったでしょうし、そこに行きつくための前振りでもあったと感じたからです。
私は彼女のことを尚好きになった瞬間でした!

> 声がふるえていましたが
> 聞いている私も心がふるえる良いスピーチでした。

本当に素晴らしいスピーチだったと思います。
『チョコレートドーナツ』しかり、複雑で、そして考えるべき事柄ではないでしょうか???

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