ちょい若おやじの映画と読書の記録

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映画レビュー#18 ファンシイダンス [邦コメディ]

2014.08.24 (Sun)

ファンシイダンス [DVD]ファンシイダンス [DVD]
(2005/04/08)
本木雅弘、鈴木保奈美 他

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[説明]
公開:1989年12月23日
上映時間:101分
監督:周防正行
脚本:周防正行
原作:岡野玲子『ファンシィダンス』(小学館『プチフラワー』連載漫画、1984年-1990年)
出演:
本木雅弘 ― 塩野陽平
鈴木保奈美 ― 赤石真朱 
大沢健 ― 塩野郁生
彦摩呂 ― 笹木英峻
田口浩正 ― 信田珍来
甲田益也子 ― 晶慧
竹中直人 ― 北川光輝
村上冬樹 ― 南拓然住職
大槻ケンヂ ― 硫一
東京スカパラダイスオーケストラ ― バンド
広岡由里子 ― マドンナ
柄本明、蛭子能収、大杉漣、宮本信子、他
音楽:周防義和
配給:大映
出典:エンドクレジット、wikipedia ファンシィダンス
[あらまし]
大学4年生でロックバンドのボーカルの陽平は、寺の長男でもあった。住職を勤める父は、カラオケをしたり、酒を飲んだり、と代々当たり前のように寺の後継ぎをしてきた住職の典型のような男であった。貧弱な弟が後を継げないだろう、という理由をつけて、陽平は寺野後を継ぐことを決める。寺(曹洞宗?)の住職となるためには、明軽寺という厳しい修行寺に入山する必要があり、そこで最低でも1年は修行をする必要があった。それはつまり、恋人の真朱(ますほ)と1年間は疎遠になることを意味しており、完全に俗世間とは孤立した厳しい生活を送ることもまた意味していた。明軽寺に入山した陽平と同時期に入山した坊主の中には、寺の娘と婚約するために住職資格を取りに来た英峻、陽平の弟で貧弱ではあるものの「住職は楽そうでかっこいい」という理由から住職を目指す郁生、過保護に育てられて食べることしか考えていない寺の息子の珍来がいた。寺の修行は4人の思うほど楽なことではなかった。700年前に定められた様式の徹底、光輝坊主のような厳しい先輩坊主の存在などなど。俗世間にまみれまくった4人は、あれやこれやと修行をさぼったり、キャバクラに行ってみたり、お菓子を盗み食いしたり、と「坊主あるまじき行為」を連発する。
そんな陽平であったが、修行者たちのリーダーの首座に選ばれ、そして住職資格取得の際の法戦式という問答を担当することを任命されることになるのだが・・・。

ロックバンドのボーカルで楽しくわいわい大学生活を送ってきた坊主、女のことしか考えない坊主、食べ物のことしか考えない坊主。ふんだんに用意されたギャップ、ふんだんに用意されたユーモア、そしてシナリオ。『シコふんじゃった。』(1991)、『Shall we ダンス?』(1996年)の周防監督、そしていつもの俳優たちによる映画第1弾。
(文責・管理人)

[レビュー]
面白い!
久しぶりに見たけどやっぱり面白い!
ただやっぱりすべてを理解するには勉強不足でもある自分がもったいない。

周防監督、そして周防チームと言えば、『シコふんじゃった。』『Shall we ダンス?』といった作品に見られるように、着眼点が些細なことでありながら面白い着眼点の設定、細かな人物設定、個性豊かな俳優、独特の間など、管理人にとってお気に入りの作品であり、本作はその第1弾に相当するものである。
ロマンポルノ出身の周防監督は小津安二郎作品の手法のオマージュをふんだんに盛り込んだ『変態家族、兄貴の嫁さん』(1984)である。
管理人としてはその「動きのない」カメラ角度から生まれていると思われる独特の間と本木雅弘、竹中直人、田口浩正、大沢健の演技が口に合うようだ。

さて、本作は、代々続く寺の長男で、これまでの人生全力で何かに向き合ったことのないロックバンドのボーカルの陽平が主人公である。そして貧弱な弟の郁生は、だらしない父の背中を見た上で、住職が楽そうでかっこいい、という理由で入山する。そして女のために入山する英峻、無理やり連れてこられたマザコンっぽいデブ坊主の珍来の修行に焦点を当てつつ、彼らが修行生活を送る中で少しずつではあるが、自分たちなりの答えを見出していく(珍来だけは特に変わらないようだが)。
それらの変化を促す要因には、厳しいくせに影で酒を飲みタバコを吸う先輩坊主の存在、生臭でありながら陽平には厳しく女と会うことを咎めて、陽平を目の敵にしている慈安和尚の存在、慈安とは正反対に仏の教えに背くことのない晶慧和尚の存在、呆けているように見えるが若い修行者や和尚を見守る南拓然住職の存在などがある。
最終的には、仏の教えに目覚めてこれまでの自分を悔い改める、といったオチではない
劇的な変化が陽平たちの中におきるわけではないが、ただ確かに何かは変わるのである。

特に、本作において、これまで俗世間にまみれた若者たちが寺で俗世間と離れ厳しい修行を毎日繰り返すことで価値観が変わっていくことの演出がユーモアにあふれている。
例えば、「女の見た目」に対するものを挙げておく。
寺の「マドンナ」と呼ばれる存在は、広岡由里子さんが演じているわけだが、すっぴんで、ぼさぼさの三つ編みでいつも同じようなワンピースを着ていて、、、
陽平や英峻は「修行をして女と離れた生活をしても、かわいい、というハードルを下げないぞ!」と最初は意気込む。
しかし、陽平や英峻は、寺を訪れた、さほど見た目がかわいらしいとは言えない女子高生を「少しかわいい、と思ってしまった・・・。」と互いに徐々に価値観が変わっていく。

他にも、盗んだお菓子を便所(東司)でほおばったり、歌を歌いながら雑巾がけしたり、寺の修行に神社のお守りを持ってきていたり、コンドーム(?)を持ってきていたり、ホモ疑惑があったり、などなどとにかく面白い演出がいっぱいあって、それをいつもの役者チームが引き立てている。

最後に、法戦式についての観方について、DVDに付属して収録されていた周防監督へのインタビューから少し紹介しておく。
本作でモデルとなったのはおそらく永平寺であり、祖道元の曹洞宗のお寺である。かつて、NHKの番組で永平寺の修行僧を撮影したものを見たことがあるが、とても厳しく、戒律的で、様式にきちんと従うようなものの記憶がある。法戦式についても、声を張り上げるもので、なかなか迫力がある。しかも、その話している内容は、音だけでは何を言っているか今一わからない。
そんな、法戦式について、周防監督は漢字字幕をつけるべきかつけないべきかで迷ったそうだ。法戦式の問答の内容を読み解いてもらうと、また物語全体への伏線や理解度が変わる、とのことである。
しかし、周防監督は最終的に漢字字幕をつけなかった。つまり、中身まで絶対理解してもらえなくてもOKとしたそうだ。
法戦式は実際のところ問答しているように見せかけたものであり、台本に忠実に行われているらしい。それでも、陽平を目の敵にしている慈安和尚はアドリブで最後に問答をしかけてくる。

 これまで(法戦式の内容)、偉そうなことを言ってきたが、お前は隠れて女人と会っている。お前は何だ?

これに対して、陽平は

 あるがままなり

と持っているモノを慈安に投げ渡しながら言うのである。
周防監督によると、陽平が投げたモノとは「竹箆(しっぺい)」のことであり、それを慈安に「返す」のである。つまり竹箆返し(しっぺがえし)をするのである。
慈安に対する陽平の疑問は物語中ずっと続いていた。まさに慈安和尚に竹箆返しをしてトンチを利かせるのである。

他にもたくさん読み解きたい内容が多そうな法戦式であるが、すべてを読み解くほど曹洞宗の知識がない。
そこまで読み解けばもっともっと本作のユーモアや伏線に気づけて面白くなりそうだが・・・。

でも、本作はもっと気軽に観ていい、のである。監督も最後に字幕をつけなかったように、気軽に笑いながら観ればいいのである。本木雅弘も映画初主演みたいだし、若かりし鈴木保奈美もかわいい。見どころはとにかく沢山ある。

レンタルビデオ店で目撃したら手にとってみてもよいのでは???

ちなみに、曹洞宗に関する公式HPなるものがあり、そこに法戦式の説明や写真がのってあるのでリンクを貼っておく。
曹洞宗 曹洞禅ネット SOTOZEN-NET 公式ページ「法戦式」
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