ちょい若おやじの映画と読書の記録

映画と読書の記録をマイペースに更新しています。コメント・リンク・TB原則フリー&大歓迎!詳細はコチラをご覧ください。
"Words can't describe how it feels flying through an aurora. I wouldn't even know where to begin..."

スポンサーサイト

--.--.-- (--)
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

映画レビュー#8 ゴジラ [特撮]

2014.08.03 (Sun)

ゴジラ [DVD]ゴジラ [DVD]
(2001/02/21)
宝田明、河内桃子 他

amazon商品詳細を見る
USA版『GODZILLA』の鑑賞及びレビューにおいて触れてきたことだが、本シリーズの第1作について、管理人の記憶は10年前に観たものであった。この度、第1作である『ゴジラ』を鑑賞し、そのレビューを書くに当たって、「ゴジラ」という存在に焦点を当てつつ考えていきたい。はじめに、本作に対する感想を簡単に述べておくならば、管理人にとっての映画史に残る名作であり、これほどまでに恐怖と衝撃を感じた作品は思い当たるものがない。何が「恐怖」で「衝撃」なのか、そして「戦争を知らない子どもたち」(byジローズ、1970年)である管理人が見た本作とは、そして10年前には感じ得なかった感想の変遷に少し触れながらレビューを書いていきたい。

[説明]
公開:1954年11月3日(日本)
上映時間:97分
配給:東宝
製作:田中友幸
監督:本多猪四郎
脚本:本多猪四郎、村田武雄
原作:香山滋
特殊技術:円谷英二、向山宏、渡辺明、岸田九一郎
出演:宝田明、河内桃子、平田昭彦、志村喬
音楽:伊福部昭
出典:ゴジラ 東宝公式サイト(リンクについては、東宝問い合わせの上、という条件だったため、ここには貼りません。) 
[あらまし]
日本の南洋近海で、突如、貨物船が沈没する謎の事件が勃発する。付近の島(大戸島)の漁船によって、船員の一部は救われるが、その漁船もろとも、何者かによって沈没してしまう。辛くも生還した漁民は、ただ何かによって、とてつもない力で沈没した、と告げる。大戸島に伝わる言い伝えである、「ゴジラ」という海中の怪物によるものではないか、と村のじいさんは主張する。謎は深まるばかりであった。しかし、大戸島は突如、大嵐のような、何か巨大な物体によって壊滅させられる。壊滅した大戸島の調査として、古生物学者の山根博士(志村喬)とその娘である恵美子(河内桃子)、その恋人であり南海サルベージ所員の尾形(宝田明)が島に上陸する。そして、何かの足跡や絶滅したはずの生きた三葉虫、放射性物質などの発見によって調査団の中で謎が深まっていた頃、彼らの目の前に「ゴジラ」が現れる。山根博士によると、ゴジラはジュラ紀と白亜紀の間に生きた海棲爬虫類と陸上獣類の中関係であり(三葉虫に付着した土の地質分析)、海中の洞窟のどこかで独自の生存を遂げていたが、度重なる水爆実験によって(三葉虫に付着した放射性が水爆のものと一致)その安住の地を追い出され、日本近海に現れた。そして、大戸島の伝説になぞらえて「ゴジラ」と名付けられた生物は、遂に、東京にも上陸するようになる。ゴジラのせん滅方法に難航する政府であったが、新聞記者のもとに太平洋戦争時に生物兵器のようなものを製造していたという噂のある「芹沢博士」という情報が舞い込む。芹沢博士は、もともとは恵美子と婚約していたが、現在はそれも解消し、ひたすらに研究室にこもって何かを研究している男であった。
芹沢博士が研究しているものとは何なのか?ゴジラせん滅に反対する山根博士、ゴジラせん滅によって近くの人を助けたいと思う恵美子に尾形、ゴジラを殺すことはできるのだろうか?
ゴジラシリーズの第1作。1954年という戦後の記憶が、観る人の中に色濃く刻まれている中で制作された「ゴジラ」にはどんな感情をもたらしたのだろうか?現在の私たちにとって、何を意味するのだろうか?
ゴジラ映画、怪獣映画、特撮映画、映画、映像と様々な分野を包括して不朽の名作と位置付けるべき名作ここにあり!
(文責・管理人)

[レビュー]
まず、近年の平成ゴジラシリーズに観られるように「お子様向け」の怪獣映画とは一線を画す、ということを強調しておきたい。エンターテインメントな要素を管理人は感じなかった。それは、故伊福部氏の音楽がそうさせたのかもしれないし、ゴジラに人間味を一切持たせておらず、ひたすらに「ゴジラこそ我々日本人の上に今なお覆いかぶさっている水爆そのもの」(尾形)なのである。

「ゴジラ=日本人の上に今なお覆いかぶさっている水爆そのもの」なのである。
1954年、この「もはや戦後ではない」などと一括されようとしている日本の高度経済成長の基盤が出来上がろうとしている時代。「戦争」という状態が引き継がれていた時代の映画である。ゴジラが表現していたものはまさにその「戦争」であったと思う。
水爆実験によって、安住の地を追い出されたゴジラは、ただひたすら人間を襲い、戦後復旧が進んだ東京という街並みを一瞬にして、焼け野原にしてしまう。そして、野戦病院で母親を失う児童たちの姿。親を失い、恋人を失い、子供を失い、茫然とするその他大勢。何をやってもゴジラには勝てない、その絶望感。
ゴジラこそ戦争、とりわけ核兵器の記憶そのものである、と思う。

そしてゴジラに対する認識の違いが示すものとは何だろうか。山根博士、恵美子と尾形、芹沢博士この3種類の人物が示す「兵器」を表現している。
とにかく、殺すことより研究をしたい山根博士。人々が殺される姿を黙って見ていられない恵美子、尾形。そして、ゴジラを倒した唯一の手段である「オキシジェンデストロイヤー」を作ってしまった芹沢博士。
とりわけ、芹沢博士の解釈について考えたい。
芹沢博士はこの兵器の使用を頑なに拒否し続ける。芹沢博士の解釈は以下の通りである。
 
 もしもこのオキシジェンデストロイヤーを使ったら最後、世界の為政者たちが黙って見ているはずがないんだ。
 原爆対原爆、水爆対水爆、その上更にこの新しい恐怖の武器を人類の上に加えることは、科学者として、いや一個の人間として許すわけにはいかない


最終的には、これを防ぎつつも、恵美子や尾形の想いを受け入れるために、自らの命をたつことで、その研究データを断ち切り、同時にゴジラを殺すことを選択する。

結局、ゴジラは、人間のせいで安住の地を追いやられ、そして人間の手によって殺されるのである。
山根博士、恵美子に尾形、芹沢博士と3つのパートに大きくわけつつ、彼らに取り巻く人々の心情を表現させる配役は素晴らしいものがある。ゴジラという怪獣が登場しながらも、それぞれがそれぞれの意味を込めた配役になっている。

そして、何といっても伊福部昭である。なんとまあ、すごい音楽を作ったことか!オープニング(このころ先にスタッフロールを出していた)でいきなり流れるあのテーマ曲。そして、あの重低音と映画が完全にマッチして、映画の重たい雰囲気、迫力、恐怖、絶望感を表現してくれている。ちまたでは、USA版の予告編にこの故伊福部氏の曲を付けている人がいるようだが、その気持ちよくわかる。やっぱり、ゴジラはこの曲なのである。ただ、押さえておきたいのは、迫力としてのゴジラ、という意味だけではない、ということだろう。

本作は現代の「戦争を知らない子供たち(最早、孫、ひ孫)」である世代にとっては何を意味するのだろうか?少なくとも、当時は「戦争」という記憶がそのままの状態を生きる人々であり、「戦後」などというくくりは単なる1945年「玉音放送」あるいは「ポツダム宣言」で区切られたものにすぎない。
しかしながら、私たちの中に「戦争」を感じさせる日常は感じにくくなっていると思う。その是非がどう、ということではなくて、本作を見ることで、「戦争」「戦後」というものを考えるきっかけの1つになるのではないだろうか。

ただし、10年前の時点で初めて本作を観たときはここまでの衝撃はなかったと思う。ただ、衝撃はやはりあったが・・・。
もしかしたら、「昔だから」という貧しいフィルターで見ていたのかもしれない。
同じ人間であっても映画の見方は変わるものだし、むしろ、その時の関心事や経験から感想はずいぶん異なるものになるのだろう。

1954年であるので、CGもなければ、合成技術も今ほどではない。それなのに、ある種の「リアル」を感じるのは、映画の映像のリアルさが、現実の「リアル」を描きつくすことではない、ということをまざまざと感じることができる。CGという「リアルさ」は1つの手段でしかないのである。
ゴジラファンではなくても、CG映画大好きor嫌いだろうが、ぜひおススメしたい作品である。

ああ、いつものことながら、最初に回帰できていないなあ、と感じる・・・。

参考記事
映画レビュー#5 GODZILLA ゴジラ (2014) 3D/2D [SF]
書籍レビュー#1 ゴジラ・モスラ・原水爆―特撮映画の社会学 [社会学]
スポンサーサイト

コメント

和製ゴジラ
こんばんは、映画カッパです。
何と、東宝ゴジラも復活するらしいですね!?
今までとは、全く違う「ゴジラ」を創る…と意気込んでますが、少し不安です。「ゴジラ」って、日本人にとっては「永遠のテーマ」のなのだと思います。
Re: 和製ゴジラ
映画カッパさん、コメントありがとうございます。

私もそのニュース聞きました。
期待やら不安やらごちゃ混ぜの気持ちです。
個人的には着ぐるみメインでやってほしいのですが・・・
映画カッパさんのおっしゃる通り「永遠のテーマ」だと思います。
CGを用いた映像技術やシリアスな見せ方はハリウッド版には及ばないと思うので、監督に選ばれた人も大変だろうなあと勝手に想像しております。

コメントありがとうございますm(__)m
コメントについてはコチラ下部をご覧ください。
記事に対する感想や記事元の映画や書籍に対する感想など大歓迎です。とにかく誹謗中傷や宣伝広告目的でなければ、なんでもOKです。
コメントフォーム最下部の「送信 確認」クリック後のページでも同様の編集はできますので、いきなりクリックしても大丈夫です。

       

管理者のみに表示

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

トラックバックは原則フリーです。
ただし、自ブログの宣伝目的やトラックバック先との関連性が認められない場合等は削除します。該当ブログ記事がない場合はその関連性を明示してください。
トラックバックについての細かなお願いごとはコチラ下部をご覧ください。

PAGE TOP

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。